ロリータ

22.12.2019

ここのところナボコフのロリータを読んでいた。

 

失われた時を求めてのような広大な言葉の海に放り込まれるのがなんとも気持ちよく、注釈がすべてのページにあるくらい比喩やイメージの連鎖が滔々と連なっているのだが、それらのなかで理解できるのは1%くらいなもので自分の教養の無さに驚きながらも、楽しんで、時々むせ返るような感覚に陥りながらも、笑って、泣いて読み終わった。

 

笑って泣いて、みたいな表現はくそ面白くない日本映画(見たこと無いので印象論で片付けてしまうことはお詫びしたい)のキャッチコピーみたいでそんなボキャブラリーしか持ち合わせない自分を恥じるが、本当にそうなのだ。

 

ときに人はだれかを愛し、その誰かは自分を愛していなかったり、どんな気持ちなのかよくわからなくてぐずぐずめそめそもじもじしているときに、実は別の誰かが自分のことを愛していて、そんなことに気づかないくらいに今愛している人のことに夢中で、でも近くを美人が通り過ぎると鼻の下を伸ばしながら目で追いかけたうえに色々な妄想を始めたり、そうこうしているうちにいつの間にか誰かを傷つけたり、誰かが傷ついたり、愛している人が自分を愛していること、あるいは愛していないことを知ったり、過去に愛した人にしでかした過ち、そのときは自分が正義だと思っていたことを理解したり、それでももう過去は取り戻せないし、取り戻そうともしないけど、当然あまりいい気持ちにはならなかったり、他人の愛を妬み嫉み、自分の愛をひけらかし、それによって正当性を確かめようとしたり、まあそんな人間の小さな感情の揺れ動きを見事なまでに描いていた。

 

ジョーカーなんかに共感して感情移入している人たちはこの本を読んでどんなふうに感じるのかぜひとも聞いてみたいものだ。

 

写真はハノイ美術博物館で見つけた絵画作品。

 

 

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