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ハノイ住宅事情

今月始めに、一年とちょっと住んだアパートを引き払って新しいところに引っ越した。

ハノイ在住10年の知り合いが、一年ごとに住む場所を変えていたという話を聞いて、なるほどそれならいろいろな地域のことがわかるようになるし、それぞれの違いを楽しめそうだということでかねがね考えていたのだが、前のアパートは職場からの距離といい、その他の場所へのアクセスもいいし、大家さん家族とも仲良く暮らしていてなかなか気に入っていたので重い腰を上げる必要があった。

さて、この街にはとても日本にいるときには想像できなかった量の外国人が住んでおり、それらのひとを対象にしたビジネススタイルが確立されている。

日本の不動産屋で働いていた身からするとびっくり仰天なのだが、今回の引っ越しはすべてFacebookだけで完結した。

前のアパートはAirBnBで一週間滞在した後にアパート契約に移行するという、自分が日本でも不動産屋サイドで経験したことのあるスタイルだった。

引っ越ししようと決めたもののどこに住みたいのか、予算はいくらなのか、その他重要な条件は何なのかなど、全く決められなかった。そこで友達やLyの意見を聞いて、それっぽく条件を作成し、それをFacebookのHanoi Apartment的なグループに投稿した。ちなみにこの手のグループはかなり多く存在していて、3万人とかのメンバーがいる。投稿をすると一時間位で10通くらいDMが届いた。

中にはこちらの条件を全く無視した物件を紹介してくる人や、ちゃんとした不動産業者のようなもの、ただ挨拶だけしてくるひとなどもいたが、合計して30人以上の人とやり取りをして、合計12軒の物件を回った。

彼らは皆若くて大体英語が堪能。とはいえ大家さん家業をしているとは思えないし、かといって大家さんの子供、という感じもしない。その後わかったことだが、彼らはまさに不動産屋で、大家から建物なり部屋を借りて、それを貸し捌いているのだ。もちろん、そのなかには仲介業のみをしている人たちもいたので、違う人から同じ物件を紹介されることなどもあった。

ちなみに、前回住んでいたところは 300 USDで、今回はそれより安いところを探そうということで予算は250USD に設定した。結果的に150 USDの部屋に住むことになった。

せっかくなので、物件巡りをしていたときに見つけた面白い物件の写真を載せておこう。

こっちの天井はやたらと折り上げ天井を多用する。そしてこの部屋で特別だったのはこの素晴らしき照明器具。刻一刻とその色を変えながら揺らいでいました。どういうシチュエーションで使うものなのか。謎は深まるばかり。

こちらは部屋の扉。部屋と言ってもバスルームとかじゃなくて、自分の部屋の玄関ドアだ。建物内に入ったあとはセキュリティがゆるい、というかなんなんだこの魚たちは。

この部屋にはバスタブがありました。殆ど使われていないけど、誰も使わなくなって久しいのでかなり薄汚れている、という感じか。時々風呂に入りたくはなるけど、これはかなり不気味。

こちらはごく一般的な水回り。シャワーとトイレが一緒なのは構わないけど、シャワー周りはブースにするかせめてカーテンとかつければよいのになあ。250USD程度の物件だとこのスタイルが主流で、そのなかでもこのバスルームはかなり清潔でイケてるほう。シャワーブースがある物件はだいたい300USDを超えてくる印象。無論立地にもよるが。

これが結局住むことになった部屋。一階で庭につながっていて、謎のガラス窓ファサードなのだが、外からは中が見えなくて、でも室内からはこの自然の明るさが入ってくるのだ。前の部屋が洞窟だったので(窓は2方向にあってそのうちの一つは小さなバルコニー、なのだがいずれも手を伸ばせば隣家の壁に触れる程度の距離なので日中も暗かった。ハノイの冬は湿気が多くてちょっと寒いのでそれだけでいい気持ちになれないのにただですら暗い部屋に、太陽が出ていないとほんとにまったくもって暗い部屋が出来上がって気分は下々<じょうじょう的な感じでゲゲと読む>)この部屋も暗いといえば暗いのだが、しっかりと太陽光がさんさんと降り注いでいることがわかるのだ。それに自分のアクションひとつで明るくも暗くもなるのだ。優れたアフォーダンス部屋。

住む前からわかっていたが、一階の部屋で、しかも気密性の概念は無い場所なので、部屋は自然と外化してくる。生態系の話。なので、巨大クモやゴキブリ、ヤモリにアリにその他飛虫などなどが常駐している。ハウスメイトはネズミもやってくるぞなんて言ってたけどそれはまずい。

前のアパートは室内に限って言うと折り上げ天井だったり水回りの感じだったり、その他共有部の感じだったり、しかもオーナーが一緒に住んでいる的なことからするとハノイ的とも言えたが、今回は暮らし全体をもっとハノイローカルに近づきたい(歴史的な方)と思っていたので(それが自分の中の一番の条件だった。なのでこれは数字や写真だけでは決められないな、フィーリング勝負やな、と思って内見をしていた)この部屋に決めたのだ。

そんな素敵な部屋が見つかりましたが、数日後この家には来月以降住めなくなります、というメッセージが。大家が不動産ガール(彼女は自分よりかなり若いと思うが、彼女がこの建物(その他にも何棟か)を借りて、室内の手入れとかそういうもの諸々をして、主に外国人に貸している)と交わした五年間の契約を無視して建て替え工事をすることを決めたとか。そんなこんなでこの家には一ヶ月しか住むことができないけど、また新しいアパートに住むことは出来ると考えるとそれはそれでまた興奮の種だ。

ちなみに次の部屋はハノイでもびっくりするほど広くて明るく清潔な路地の前に経つ5階建ての4階の部屋で、なんと2方向にバルコニーがついている!

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