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二年経って頭をよぎる旅の記憶

写真を撮るという行為は自分以外の誰かとの対話を基準とした態度からおこるものである。

だから、僕はあまり写真を撮らない。

旅先での写真は貴重なもののようだけどそんな素晴らしい記憶と経験を誰かと分かち合うなんてもったいない!という自分の中の吝嗇家が主張する。

じゃあ、いつか自分がみるために撮ればいいじゃないか、と思うがこれまた未来の自分(過去の自分)との対話にすぎない。物質に定着化させた記憶を通してする対話なぞ時間に失礼だ。

さて、そんな僕が気に入っているのが、様々な記憶を放っぽりだしておいていつかふと瞬間に、まったく脈絡もなく、経験していたことすら忘却の彼方の記憶たちと再開することだ。

これぞ記憶の旅の醍醐味だと思っている。

そして彼らとの再開は少なくとも、経験上、半年以上の熟成期間を待たなければならない。待ってはいないが。こんなことをしても何の得にもならないが、ただ嬉しい。

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