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Hang Dau Water Tank

日本にはまだ馴染みの薄いラウンドアバウト。

信号をなくして多方向からの交差点を成立させるもので、容易にイメージできるものとしてはパリの凱旋門があるだろう。ミッション・インポッシブルの新しい映画でも使われていたと思う。

ハノイの旧市街の北側にこの給水塔はある。

丸い平面故か、ちょうどラウンドアバウトの中心地になっている。

とはいえ、ここでは交通ルールなどあってないようなものなので信号があろうがなかろうが、ラウンドアバウトであろうがそうでなかろうがあまり関係が無い。そのおかげかラウンドアバウトの真ん中でとまって写真をとっていても誰の迷惑にもならない。そのあたりがここのゆるくて様々なものを許容する特徴かもしれない。

さて、この建築は何の変哲もないアーチが連続する円形の建物で、建築的に何かを論じるようなものでないかもしれないが、ものの本によると、通常植民地に建設する給水塔は支配者側のためのみのインフラ設備とするが、ここでは現地人のインフラにも寄与していたそうだ。

はて、なんのことかと言ったところだが、確かに職人街が続く南側と、政府機関等が並ぶ西側のちょうど中間地点に建てられていることを考えると納得がいく。

今まで見た限り、ハノイの歴史的建築物では漆喰(等)の仕上げがなされているため、下地の様子を伺うことができないことが、この給水塔は飽くまでインフラというためか組積造の様子が伺える。

なんとなく、こういう建築に出会うとその素直さに少し心を動かされるのである。

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